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台北・新北市がコロナ警戒レベル3の今、急遽書いてみます
5/15(土)、台湾の市中感染が広がり、台北・新北市の防疫警戒レベルが「3」に引き上げられました。
それと同時にさまざまな情報が飛び交っています。
今、「不確定な情報を拡散すること」は最もしない方が良いことのひとつですよね。
でも「不安」な気持ちをどうにかしたい、「もしかしたらこの情報こそ役に立つものかもしれない」と思うかもしれません。
オードリー・タンさんも所属するシビックハッカーコミュニティ「g0v(ガヴ・ゼロ)」にある各プロジェクトのことを、私はよく「まるで(鬼滅の刃の)柱のようだ」と例えるのですが、その柱の中でも抜群にかっこいいプロジェクトを、こんな今こそご紹介したいと思います。
(※念のためのお伝えですが、フェイクニュースを民間で精査することにはとても大切な理由があります。
「このニュースはフェイクニュースかどうか?」を政府が判断するというのは、政府が報道の上に位置することを意味します。
政府によって報道や言論の自由が制限されるというのは、民主主義の社会ではあってはならないことですよね。
そういった意味で、民間でフェイクニュースを監視しているというのは、非常に重要な意味があることを、ここで今一度強調しておきます。)
20万人以上が利用中!「Cofacts 真的假的」で、フェイクニュースかどうかを即座にチェックしよう
人から送られてきた情報がオフィシャルのものか分からない場合、それを鵜呑みにするのではなく、まずは「Cofacts 真的假的」でチェックしてみてください。
方法は簡単です。
「Cofacts 真的假的」のWebサイトまたは公式LINE(LINEのID「cofacts」)で、その情報をコピー&ペーストするだけ!
即座にその情報が「Cofacts 真的假的」のデータベースにあるかが確認され、ヒットした場合はそこで討論されている情報が表示されます。
LINEでは、botが即座に情報をパスしてくれます
①LINEで流れてきた情報を「Cofacts 真的假的」のLINEへ転送するか、直接トークルームへ貼り付ける。
②LINE botが即座にCofactsのデータベースを照会。ヒットしたものを表示してくれるので、あとは情報を選んで読んでいくと、理解が深まります。
Webサイトでは、さまざまな情報を網羅して確認できます
①ウェブサイトのトップページにあるBOX(下写真を参照)に、情報をコピペして「快速查詢(すぐにチェック)」をクリック。
②ここ最近これが話題になった回数の経過が分かるグラフや、データベース上にある関連情報が一覧形式で表示されます。
台湾ではすでに20万人以上がこの「Cofacts 真的假的」をLINEで登録しています。
最も親しみやすく、よく使われているフェイクニュース対策のひとつです。
「Cofacts 真的假的」では、どうやってフェイクニュースかどうか判断するの?
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「Cofacts 真的假的」で見られるのは、同じ情報について、他の人たちが書いた“判断”です。さまざまな観点から同じ情報を見た時に出てきた意見を参照することで、その情報がどの程度信じて良いものなのか、大まかな概念が獲得できます。自分が意見を書きたい時には、ログインすればすぐに書き込むことができます。
さらに、問い合わせされたフェイクニュースに関しては有志により調査され、回答されることもあります(下の写真参照)。
人々の不安を煽るフェイクニュースは、一度広がり出すと止めるのがなかなか難しいものです。まずは初動でしっかり食い止めることが大切なんですよね。
過去、オードリー・タンさんへ行ったインタビューの中でも、オードリーさんはこう話されていました。
「行政院では、フェイクインフォメーションのうち、『故意・危害・虚偽』の3つの条件がそろった場合にすぐ対応することになっています。この3つがそろわない場合は、報道の自由を侵害し政府が報道の上に位置することになりますから、介入しません」
これを是正するために、政府は各部門に「フェイクインフォメーション調査室」を設けている。情報が確認されると、調査室は60分以内にカウンターとして正しい情報を発信しなくてはならない。その文書には「2・2・2の原則」がある。見出しは20文字以内、写真・図版は2点、本文は200行まで。わかりやすく絞り込んだ内容だ。
「さらに文書にユーモアもなくてはいけません。ユーモアは怒りと同じくらい拡散されやすく、かつ、怒りよりも拡散して共有する満足度が高いからです。このような文書を60分以内にまとめるためには高いスキルの人材が各部門に5、6人は必要になってきます。調査室の予算が高いと批判もありますが、仕方のないことだと思っています」
「国民が参加するからこそ、政治は前に進める」――38歳の台湾「デジタル大臣」オードリー・タンに聞く」より抜粋
「Cofacts 真的假的」プロジェクトについて
2016年10月にシビックハッカーコミュニティ「g0v(ガヴ・ゼロ)」で発足した「Cofacts 真的假的」は、今や台湾で多くの人々に使われています。
LINEを追加している人は現時点で20万人以上、週に平均すると250以上の新しい情報がデータベースに登録されています。
この取り組みはさまざまな資料が公開されているほか、オープンソースで開発されているため、タイでも使われているそうです。
このニュース番組での紹介動画が分かりやすかったです。
使用方法は以下の2つ
①「Cofacts 真的假的」Webサイトからチェックする
(一部日本語に対応したサイトもあります:http://ja.cofacts.tw/)
②公式LINEを追加する
LINEのID「cofacts」を検索するか、QRコードをスキャンしてみてください。
利用状況を分析した情報も公開されています
LINEやWebサイトそれぞれで、どのような情報についての問い合わせが増えているか、ランキング形式で確認することができます。
こちら「Cofacts analytics」から、誰でも見ることができます。
「Cofacts 真的假的」を運営しているシビックハッカーたち
2020年10月に、g0vのハッカソンへ行った時に撮った写真です。
腕に赤いタスキをしているのが、発起人&エンジニアでもあるmrorzさん。
情報に惑わされず、しっかり乗り切ろう
台湾の人々は、なんとかここからの2週間でしっかりレベルを落とそうと頑張っています。
確かに、中には同じ方向を向けない人もいるかもしれませんが、そこに引っ張られることなく、その人の分まで防疫生活を徹底しようと行動する人たちがいます。
昨日、SNSでたくさんシェアされていたこちらの言葉をご紹介します。
(もともとの中国語はTwitterのユーザーさんの投稿ですが、ご本人は身元が判明するのを恐れていらっしゃるようなので、
別に作られたバナーをご紹介します。表現も若干ソフトめに拙訳してご紹介します。)
さあ、世界が見ている。
台湾がこれから2週間でどうやって警戒レベル3からゼロにするか、一度だけ手本を示そう
/魔女狩りしない、盲目に信じない、噂を作らない/
自分を守ることは、同時に他の人を守ること
ワクチンは予防に過ぎない、完全に遮ってくれるものではない
聡明な台湾人たちよ、どうか
よく手洗いをして/マスクをして/集まりを減らして/身体の状態に気をつけて
世界に知らせよう
【台湾の人々の団結力がどれだけ強いのか】
みんな頑張ろう!
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